シンポジウム
「官民協働のとびらをひらく ― 多機関協働で紡ぐこども家庭支援 ―」
シンポジウムでは、子ども家庭支援における官民連携の重要性について、国の制度説明と自治体の実践事例をもとに議論されました。子どもを真ん中に置き、多機関が役割分担しながら協働していく体制づくりが共通のテーマでした。
・国の制度説明 ― 居場所づくりと予防支援
こども家庭庁からは、子どもの「居場所づくり」が支援の基盤であるとの説明がありました。単に場所を整備するのではなく、地域資源を把握し、多様な立場の人が連携できる仕組みづくりが大切だとされています。そのためのコーディネーター配置や、家庭支援事業など虐待予防を重視した施策についても紹介されました。
・越前市 ― コンソーシアムの連携
人口約8万人の越前市では、法人や医療機関、社協などが連携するコンソーシアムを形成し、市長も参加しながら官民協働を進めています。役割分担を明確にし、小さな成果を積み重ねる形で取り組みを展開。こども食堂や学習支援、外国ルーツ家庭への支援など、多様な課題に地域全体で向き合っている点が印象的でした。
*コンソーシアム
共通の目的を持つ複数の組織が協力するために結成する共同体
・仙台市 ― 若者支援への広がり
仙台市では、18歳以降の若者支援が十分でなかった課題を踏まえ、居場所事業「ふれあい広場」を中心に官民連携を強化しています。NPOとの協働やアウトリーチを進め、支援が届きにくい子ども・若者へのアプローチを広げています。協働には実績やキーパーソン、そして粘り強さが欠かせないという話も共有されました。
・尼崎市 ― 部局横断と外部の力
尼崎市では、福祉・教育・若者支援を横断する体制を整え、居場所をハブにした支援を展開しています。複数のNPOが連携する仕組みや、外部の専門性を取り入れる工夫も紹介されました。また、行政と民間の間に立ち、双方の考えを翻訳し合える人材の重要性も強調されました。
官民それぞれの強みを持ち寄り、対等なパートナーとして協働していくことが、これからの子ども家庭支援の鍵になると感じられる内容でした。


