お知らせ

2026/02/03トピックス
FLECフォーラム+(3日目)
クロージングシンポジウム
「インクルーシブ保育の未来像〜児童発達支援センターの今後の在り方〜」
シンポジウムでは、すべての子どもが共に育ち合う「インクルーシブ保育」のこれからについて、国の動向や実践事例を交えながら議論が行われました。
三原じゅん子参議院議員からは、障害者施策担当大臣としての取り組みや、国際基準に沿ったインクルージョン推進の方向性が示され、日本でも共生社会づくりを本格的に進めていく必要性が語られました。
こども家庭庁からは、子どもの権利を基盤とした支援体制について説明がありました。福祉サービスは充実してきた一方、制度が分かれることで子ども同士が分断される課題もあり、「共に過ごし、共に育つ」体験の大切さが強調されました。
今後は、子どもを支援の場に移すのではなく、専門職が子どものいる場所に出向く体制づくりが重要とされ、児童発達支援センターが地域のハブとして、保育園や学校、家庭をつなぐ役割を担うことが期待されています。
イタリアの事例紹介では、障害のある子どもも通常学級で学ぶ権利が保障されており、分離ではなく統合を基本とする教育が進んでいることが報告されました。日本でも同様に、国際的な理念に沿った取り組みが求められています。
現場からは、保育と学校、福祉が連携し、家族支援やチーム支援を進める実践も紹介されました。子ども同士が自然に支え合う姿から、インクルーシブ保育は人権を守る土台であり、共生社会の出発点であることが確認されました。
「子どもを動かすのではなく、支援が動く」の発想がインクルーシブ保育に求められています。
最後にインクルーシブ保育の未来像について、シンポジストの皆さんから次のような提言がありました。
・インクルーシブ保育とは、障害の有無や国籍に関わらず、すべての子どもが同じ場で一緒に過ごし、育ち合う環境のこと。その積み重ねが、共生社会の土台になっていくのではないか。
・児童発達支援センターは「通う場所」としての役割だけでなく、地域を支える後方支援へと重心を移し、いずれは居場所機能に頼らない形へ転換していくことも必要ではないか。
・障害に関する専門性を保育園やこども園の日常の中に浸透させ、専門職がチームで支える体制づくりを進めていくことが大切。
・子どもを真ん中に置き、多職種がぶつかるのではなく、うまくつながるためのコーディネート機能が求められる。
・特別な配慮が必要な子どもへの支援を「特別な場所」で行うのではなく、保育の現場そのものに専門性を埋め込んでいく制度づくりが重要。
・子どもを支援の場に移すのではなく、支援の側が子どものいる場所へ動いていく。そんな発想への転換期に来ており、海外の実践からも学びながら進めていきたい。
・将来的には「インクルーシブ保育」という言葉自体が特別でなくなり、当たり前の保育として根づいていく姿が望ましい。
・限られた予算や人材の中でも、専門職同士が手を取り合い、子ども同士の育ち合う力を信じていくことが大切。
・インクルーシブ保育は、人権を守る日々の実践であり、互いを尊重することを一から学び直す営みでもある。
・そして何より、障害のある子どもや当事者の声こそが中心にあり、その声が専門職チームをつなぐ力になっていくのではないか。
インクルーシブ保育は、支援を固定するのではなく、その都度「編集」し続ける取り組みです。形は柔軟に変化しながらも、「すべての子どもが一緒に過ごす」という軸だけはぶらさない。その中で子どもたち自身が関係性を育み、場をつくっていく――それこそが“こどもまんなか”の保育なのだと感じました。
以上で、FLECフォーラムの取材報告を終わります。